竹袋の稲荷神社は、京都伏見の稲荷神社の勧請による分霊社です。祭神は、蒼稲魂命(うかのみたまのみこと)で、これは一切の食糧を司り、特に稲などの穀物の生産・豊穣を守護する神様です。創建は、和銅4年(711)といわれ約1300年もの間、人々に信仰されてきました。享保14年(1729)に正一位の称号を賜りその宣旨(天皇の命令を伝える文書)は現在千葉宮司によって、大切に保存されています。
境内には本殿(銅板葺流造)、幣殿(銅板葺切妻造)、拝殿(銅板葺流造)が建ち並びます。明和6年(1769)年に再建されたという記録がありますが、現在ある建物は昭和10年に改築され、平成21年に本殿が塗装改修されました。
例大祭は、秋の収穫が終わったころ、今年の豊作を感謝するために催されます。享保年間(1716~1735)には正月元旦、2月の初午の日(稲荷の日)、6月10日が祭礼の日とされていて、大祭は2月初午に行われていました。当時は、お供の行列に三宝院の住職が別当として御駕籠に乗り、神官は乗馬で、名主・組頭・神社総代・祭礼主任のほか、その年に結婚した新郎が白狐・獅子頭・お供物などを捧げ持って行列に加わりました。その後、江戸時代末期に4月3日へと変更しましたが、雨の日が多いため、今日では10月上旬に行われています。
神輿が初めて造られたのは、延享2年(1745)のことです。台組・上組・下組の3組が毎年交替で当番となり御浜下りが行われ、木下河岸問屋前に御仮屋を建て、祭神を一夜泊まらせました。その後、神輿の数や渡御の泊数、当番町の構成も変わっています。また、山車は大正11年に上町、幸町合同で造ったのが始まりです。現在では上町、仲町、幸町の3台があります。余興のおはやしは、神田ばやしが主流でしたが、昭和48年に「木下ばやし保存会」が結成され、一段とにぎやかになり祭りを盛り上げています。こうして、神輿、山車がはやしの音にのって町内を巡行する秋の祭礼は多くの人によって伝えられています。
例大祭初日は、御神体を持って大鳥居の下に待機している神輿の所へ行って御神体を移します。神輿を車に載せ「御浜下り」の出発となります。神社からJR木下駅周辺の市街地を木下ばやしにのり上町・仲町・幸町の山車と一緒に渡御します。祭礼終日、氏子に担がれた神輿は御仮屋を出て仲町、幸町、上町を巡り、竹袋の稲荷神社に帰ります。
例大祭は里帰りした人たちなど多くの人たちで賑わいます。皆さんも木下地区伝統の行事に足を運んでみてはいかがでしょうか。
竹袋稲荷神社の例大祭
- 開催日
- 10月12日(土)・13日(日)
- 場所
- 竹袋稲荷神社(印西市竹袋141)・上町(木下駅南口周辺)・幸町(木下駅北口周辺)・仲町(利根川沿い周辺)
- アクセス
- JR成田線木下駅下車※当日は交通規制が行われます。
お問い合わせ
竹袋稲荷神社当番総代 大澤
TEL:090-8011-9321