六軒厳島神社は、厳島神社と水神社の合祀です。六軒新田の開発が行われていた延宝年間(1673~80年)に大森の宮島勧右衛門(みやじまかんえもん)によって安芸の宮島(広島県)から六軒の地に勧請されたと伝えられています。

 祭神は、市杵嶋姫命命(いつきしまひめ)で航海・芸術の神です。水神社のご祭神は、罔象女神(みつはのめのかみ)で、元来、火災を除去する鎮火神でしたが、後に水に関わる神と混同され、ミズチ(ヤマタノオロチ)・龍・蛇などの動物が水神の化身と考えられるようになりました。

 境内の入口には、平成7年に再建された石の鳥居があります。敷地約526坪の境内には本殿(銅板葺流造)、拝殿(瓦葺切妻造)が建ち並びます。平賀村(当時)の花島山から遷座した印西大師三十八番の小堂、鳥居の左手の道路沿いは庚申塔などの石塔があります。

 このほか本堂の左右には稲荷神社と三峯神社、咳神社の小祠があります。厳島神社には、印西七福神のひとつ「弁天様」が祀られています。
 弁財天は一般に弁天様と略称され、七福神の中唯一の女神です。琵琶を奏でる姿の像が有名で、音楽・芸術・学問・財福を司る守護神として崇められています。

 古代インドでは河川の神とされ、流れる河の音が音楽と結びつき音楽の神ともなりました。音楽を通じて、言葉を司る女神「ヴァーチュ」と同一視されるようになり、言葉(弁)の才に優れた神となり、弁舌の神・学門の神・智恵の女神として信仰されるようになりました。さらに河がもたらす恵みから豊穣・財宝・子授けの神ともなっていきました。

 地元の人々から信仰され、守り神として崇められてきた六軒の弁天様。境内はとても静寂で、落ちついた雰囲気に包まれています。  境内横を流れる弁天川も穏やかに流れ、手賀川へと合流していきます。弁天様は、境内入って右の池の手前に祀られています。

 学問の神様としても知られる歴史ある神社へ初詣のお参りに出かけてみてはいかがでしょうか。

場所
印西市大森4336
JR成田線「木下駅」下車、徒歩8分
駐車場
なし(木下南口・北口に有料パーキングあり)