六軒厳島神社には、印西七福神のひとつ「弁天様」が祀られています。
弁財天は一般に弁天様と略称され、七福神の中唯一の女神です。琵琶を奏でる姿の像が有名で、音楽・芸術・学問・財福を司る守護神として崇められています。
古代インドでは河川の神とされ、流れる河の音が音楽と結びつき音楽の神ともなりました。音楽を通じて、言葉を司る女神「ヴァーチュ」と同一視されるようになり、言葉(弁)の才に優れた神となり、弁舌の神・学門の神・智恵の女神として信仰されるようになりました。
さらに河がもたらす恵みから豊穣・財宝・子授けの神ともなっていきました。
六軒厳島神社は、厳島神社と水神社の合祀です。六軒新田の開発が行われていた延宝年間(1673~80年)に大森の宮島勧右衛門(みやじまかんえもん)によって安芸の宮島(広島県)から六軒の地に勧請されたと伝えられています。
祭神は、市杵嶋姫命命(いつきしまひめ)で航海・芸術の神です。水神社のご祭神は、罔象女神(みつはのめのかみ)で、元来、火災を除去する鎮火神でしたが、後に水に関わる神と混同され、ミズチ(ヤマタノオロチ)・龍・蛇などの動物が水神の化身と考えられるようになりました。
敷地約526坪の境内には本殿(銅板葺流造)、拝殿(瓦葺切妻造)が建ち並びます。印西大師三十八番の小堂、鳥居の左手の道路沿いは庚申塔などの石塔があります。
毎年7月中旬には100年以上の歴史がある例祭が行われ、勇荘な神輿や山車が商店街や路地を練り歩きます。
神社脇には、大正時代に活躍した印西市出身の横綱「鳳谷五郎(おおとりたにごろう)」の碑が建っています。
平成3年から大晦日の夜に行われる年越し神輿は、来場者が見守る中、新年の到来と共に神輿が境内を練り歩きます。
地元の人々から信仰され、守り神として崇められてきた六軒の弁天様。境内はとても静寂で、落ちついた雰囲気に包まれています。境内横を流れる弁天川も穏やかに流れ、手賀川へと合流していきます。
弁天様は、境内入って右の池の手前に祀られています。
どこか懐かしい印西市の歴史・景観に触れながら、ゆっくりお参りしてみてはいかがでしょうか。
- 場所
- 印西市大森4336
JR成田線「木下駅」下車、徒歩8分 - 駐車場
- なし(木下南口・北口に有料パーキングあり)